犬の精巣腫瘍について|去勢手術で予防できる病気

2024.02.09

精巣腫瘍とは、精巣に発生する腫瘍のことを指し、主に高齢のオス犬に発生します。この腫瘍は良性であることが多いですが、場合によっては悪性に進行する可能性もあります。また腫瘍の種類によっては、性ホルモンの影響で、全身に症状を示すことも珍しくありません。

この記事では、犬の精巣腫瘍の原因や症状、診断方法、治療方法、そして予防法や家庭での注意点について詳しく解説していきます。

■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ

原因

犬の精巣腫瘍は、主に高齢の犬に発生しやすい病気です。遺伝的な要因やホルモンの影響が原因と考えられており、去勢をしていないオス犬において2番目に多く遭遇する腫瘍と言われています。
特に、精巣が腹腔内や皮下に留まっている潜在精巣(停留睾丸)の犬では、正常な位置にある場合よりも腫瘍が発生しやすいとされています。

症状

精巣腫瘍の症状としては、精巣の腫大硬化が挙げられます。また、性ホルモンの異常分泌により、脱毛色素沈着といった皮膚の変化や、乳房の腫脹(雌性化)、貧血などの症状が見られることもあります。

診断方法

精巣腫瘍の診断には、触診による精巣チェックのほか、血液検査や、レントゲン検査、場合によっては細胞診などが行われます。
また潜在精巣の場合、超音波検査にて精巣の様子を確認することがあります。

これらの検査により、腫瘍の種類や進行度を把握することが可能です。

治療方法

精巣腫瘍の治療方法は、外科的摘出が第一選択です。これにより、腫瘍の除去と同時にホルモンの影響を抑制することができます。

また、腫瘍が悪性である場合や他の臓器への転移が疑われる場合、化学療法や放射線療法が検討されることもあります。

予防法やご家庭での注意点

精巣腫瘍の予防には、若いうちの去勢手術が有効です。去勢により精巣を取り除けば、精巣腫瘍の発生リスクはなくなります。特に、精巣腫瘍のリスクが高い潜在精巣の場合、早めに手術を受けさせることが望ましいです。

実は去勢手術は、さまざまな病気の予防に効果的なことが知られています。精巣腫瘍の他にも、前立腺肥大症や肛門周囲腺腫、会陰ヘルニアなどの病気の予防にもつながります。

去勢手術を行わない場合は、定期的な健康診断により早期発見・早期治療につなげることが大切です。

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まとめ

犬の精巣腫瘍は、適切な治療と管理により予後が良い病気の一つです。愛犬の健康を守るためにも、定期的な検査と早期の治療が重要です。

また、精巣腫瘍の予防には去勢手術が一般的です。獣医師とよく相談し、愛犬にとって飼い主様が良いと思う選択をしましょう。

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この記事を書いた人
永原 未悠(ながはら みゆ)
  • 永原動物病院 院長
  • 永原 未悠(ながはら みゆ)

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