コラム
COLUMN
愛犬や愛猫が水を飲まない!?┃正しい水分補給と注意すべき病気
2024.09.23犬・猫
犬や猫にとって、水分補給はとても大切です。中には、愛犬や愛猫があまり水を飲まず、心配されている飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は犬や猫の適切な水分摂取量や水を飲まない理由、水分補給を促すためのアイデアなどをご紹介します。
■目次
1.適切な水分摂取量
2.水を飲まない原因
3.水分補給を促す工夫
4.要注意!水を飲まないことで発症する可能性のある病気
5.水分摂取の観察とチェックポイント
6.異常を感じた際の対処法
7.まとめ
適切な水分摂取量
犬や猫は、1日に体重1kgあたりおよそ40~60ミリリットル程の水分を摂取するのが理想とされています。ただし、この量は体重や年齢、生活環境によって変動しますが、この基準よりも水分摂取が大幅に少ない場合は、飲水不足の可能性があります。
しかし、ウェットフードや水分を加えた食事を日常的に与えている場合、食事から十分な水分を摂っているため、飲水量が少なくなることもあります。
水を飲まない原因
犬や猫が水をあまり飲まない原因としては、以下が考えられます。
<環境の問題>
環境による問題としては、水飲み容器が遠すぎたり、水や容器が汚れていたり、室内の気温が低すぎると水を飲みたがらないことがあります。これらの要因が飲水を妨げる原因となるため、快適な環境を整えてあげることが大切です。
<なんらかの病気を起こしている>
歯周病や口内炎などの口内トラブルがある場合や、足腰や首に痛みがあって動きたがらない、水を飲む際の姿勢がつらいといったことも、飲水を避ける原因となります。こうした健康上の問題があるときは、動物病院での早めの対応が必要です。
水分補給を促す工夫
水分補給を促すための工夫としては、清潔な水を犬や猫がよく過ごすベッド周りや窓際、静かで落ち着ける場所など複数の場所に用意してあげると良いでしょう。また、水入れの容器をステンレス製に変更し、水が流れるタイプの自動給水器を使用すると、水を飲む量が増えることがあります。
さらに、犬にはレタスやきゅうり、スイカなど水分が多く含まれた食材を与えることで、効果的に水分補給を行うことができます。また、市販されているペット用の経口補水液やゼリータイプのおやつも、手軽に利用できるので試してみると良いでしょう。これらを活用することで、無理なく水分を摂取させることができます。
要注意!水を飲まないことで発症する可能性のある病気
<腎臓病>
腎臓病は初期では多飲多尿になりますが、進行するとさまざまな症状が現れます。予防のためには水分摂取と共に、食事内容にも気を配る必要があります。
<尿路結石>
腎臓、膀胱、尿道などに結石ができる病気です。結石ができる場所によっては排尿ができなくなることもあります。予防のためには適切な食事と十分な飲水が必要です。
<膀胱炎>
十分な飲水と排尿がないことにより、膀胱炎になる可能性があります。予防のためにはトイレを常に清潔に保つことも欠かせません。
<歯周病>
水をあまり飲まないと口内の清潔が保たれず、歯周病など口内のトラブルにつながる恐れがあります。
<便秘>
水分摂取が少ないことにより、便秘になる可能性があります。
水分摂取の観察とチェックポイント
<日々の飲水量の記録方法>
日々の飲水量を確認するためには、目盛りつきの水入れ容器を利用すると便利です。水を交換するタイミングで、飲水量をチェックして記録すると良いでしょう。
<尿の量や色のチェック>
尿の量や回数、色にいつもと違う点がある際は要注意です。愛犬や愛猫の尿の量が多い、少ない、回数が多い、少ない、尿の色が濃い、尿にキラキラしたものが混じっている、などがみられたら動物病院を受診しましょう。
<脱水のサイン>
脱水してくると、犬や猫の皮膚に弾力がなくなり、皮膚をつまんでもすぐに戻らなくなります。また、口内が赤くなり、口を開けた時に唾液がネバネバしている時は脱水している可能性があります。
異常を感じた際の対処法
飲水量や尿量など、普段と違う様子がみられた場合は、何がどのように異なるのかをメモしておき、できるだけ早めに動物病院を受診しましょう。また、必要に応じて写真や動画を撮影しておくと、診察時に獣医師が症状を把握しやすくなり、診断や治療の助けになります。
まとめ
愛犬や愛猫の水分補給は、健康を維持するうえで非常に重要です。愛犬や愛猫が水を飲まない場合は、まず環境を見直し、工夫してみましょう。それでも改善しない場合は、何らかの健康問題が潜んでいる可能性があります。そのため、たかが水と軽く考えず、早めに動物病院に相談することを推奨します。
岡山県岡山市を中心に地域のホームドクターとして診療を行う
永原動物病院
当院の診療案内はこちらから
初めての方はこちらから
お電話でのお問い合わせはこちら:086-262-1837
この記事を書いた人
- 永原動物病院 院長
- 永原 未悠(ながはら みゆ)
飼い主様へのインフォームドコンセントや、信頼関係を大切にしています。大事な予防も含め、疾患(病気)への治療や方針について話し合い、飼い主様と一緒に進めてまいりたいと思います。
- 土曜のみ9:00~13:00の診療
- 水曜と土曜の午後・日曜・祝日・GW・お盆・年始年末
- 各種お支払い可能
- 現金/Paypay/各種クレジット