コラム
COLUMN
犬や猫の熱中症の症状や応急処置の方法!予防方法もあわせて解説
2023.08.25犬・猫
暑い日が増え、熱中症が心配な季節になりました。高温多湿な環境では、犬や猫の熱中症に注意しなければなりません。
汗をかけない犬や猫は、気化熱で放熱ができないため、人よりも暑さに弱い動物です。
熱中症は重症化すると命を落とす危険性もあります。
本記事では、犬や猫の熱中症の症状や応急処置の方法、予防方法について詳しく解説します。
犬や猫の熱中症の症状
熱中症の症状は以下の通りです。
・呼吸が速い
・粘膜の充血
・脈が速い
・高体温
・嘔吐、下痢
・虚脱(意識が低下し、立ち上がって体を動かすことが困難な状態、脱力している状態)
など
重症化した場合には、痙攣発作や血便が症状としてみられ、そのまま亡くなってしまうこともあります。
熱中症は、いち早く治療する必要がある緊急事態です。
犬や猫の熱中症の応急処置
愛犬や愛猫に熱中症が疑われる場合には、すぐに動物病院を受診しましょう。
しかし、少しでも状態を良くするため、車などで動物病院に向かう間にできる応急処置があります。熱中症の応急処置は以下の手順で行います。
・全身を濡らしたタオルなどで濡らす
・涼しい場所で風を送風させる
・水を飲ませる
濡らしたタオルを使用し全身を濡らしてあげましょう。
濡らした後は、涼しい場所で風を送り、気化熱として体温を下げることが有効です。
冷水や氷水などで急速に冷却すると抹消の毛細血管が締まり、熱を発散しにくくなります。
急激に冷やす方法は、熱中症への対処として行ってしまうことが多いですが逆効果になってしまう可能性があるため注意しましょう。
濡れたタオルを利用して熱を気化熱として発散させてあげるのが一般的な応急処置です。
また脱水状態を改善するために、水が飲めそうな場合は飲ませてあげるとよいでしょう。
熱中症になりやすい犬種・猫種
熱中症になりやすい犬種・猫種は以下の通りです。
・フレンチ・ブルドッグ
・パグ
・シーズー
・ペルシャ猫
・エキゾチックショートヘア
・ヒマラヤン
など
こうした短頭種は特に熱中症に陥りやすいため注意が必要です。
また、肥満傾向の犬猫は呼吸状態が悪化し、体温をうまく発散できない傾向があるため熱中症になる可能性が高い傾向にあります。
愛犬・愛猫が熱中症になりやすい犬種・猫種に該当する場合には、特に注意をしましょう。
犬や猫の熱中症の予防方法
熱中症の予防方法は、以下の通りです。
・室温を一定に保ち涼しい環境を維持する
・いつでも水を飲める環境と整える
・体重管理を行い肥満を防ぐ
など
犬や猫の熱中症を予防するためには、室温の調整が大切です。エアコンの設定温度の目安は25〜26℃ほどで、留守番中でも空調を運転させ、室温を一定に保つようにしましょう。
また、水飲み場を1個所だけではなく、何か所か設置して水分摂取量を増やすことも有効です。
普段から食事や運動を生活に取り入れて、体重管理をしっかりと行うようにすることも重要です。肥満傾向の犬や猫では、呼吸状態が悪化しやすく体の熱の発散がうまくできません。
まとめ
本記事では、犬や猫の熱中症の症状や応急処置、予防方法について詳しく解説しました。
熱中症は命に関わる病気であるため、飼い主さんは応急処置の方法をしっかりと確認しておきましょう。
熱中症を予防するために、普段の生活から気を付けるポイントも多々あるので、本記事を参考に愛犬、愛猫と暑い夏を乗り切りましょう。
少しでも熱中症が疑われたり、犬や猫の熱中症について分からないことなどあれば当院までご相談ください。
岡山県岡山市を中心に地域のホームドクターとして診療を行う
永原動物病院
この記事を書いた人
- 永原動物病院 院長
- 永原 未悠(ながはら みゆ)
飼い主様へのインフォームドコンセントや、信頼関係を大切にしています。大事な予防も含め、疾患(病気)への治療や方針について話し合い、飼い主様と一緒に進めてまいりたいと思います。
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