コラム
COLUMN
動物病院が教える!犬や猫の介護|高齢の犬や猫の快適な生活を支える方法
2025.01.22犬・猫
近年、犬や猫の高齢化が進み、介護の必要性がますます高まっています。医療技術や飼育環境の向上により犬や猫の平均寿命が延び、多くの飼い主様が愛する犬や猫の晩年をどのように支えるべきか悩むようになりました。介護には身体的・精神的な負担が伴いますが、適切なケアを行うことで犬や猫が快適に過ごせる時間を延ばすことができます。
今回は高齢の犬や猫の介護について、必要性や具体的なケア方法、健康管理などを詳しく解説します。
■目次
1.どのような時に介護が必要?
2.基本的な介護方法
3.症状別の介護ポイント
4.介護中の健康管理
5.介護を行う飼い主様自身のケア
6.まとめ
どのような時に介護が必要?
犬や猫の介護が必要になるタイミングは、以下のような状況で現れることが一般的です。
<歩行困難・立ち上がり困難>
高齢化により関節や筋力が衰えると、動くこと自体が困難になる場合があります。
<食事や排泄の問題>
食欲が低下したり、排泄の失敗が増えたりすることは、介護を始めるサインです。
<認知機能の低下>
夜鳴きや徘徊、トイレの場所を忘れるといった行動が増えると、認知症の可能性があります。
<病気や手術後のケア>
慢性疾患を抱えている場合や手術後の回復期には、特別な介護が必要になることがあります。
これらの症状が現れたら、変化に早めに気づき、適切な対応を行うことが大切です。それにより犬や猫の生活の質(QOL)を大きく向上させることが可能です。
基本的な介護方法
高齢の犬や猫の介護では、環境の整備や日々のケアが重要です。以下の具体的な方法を実践してみましょう。
<室内環境の整備>
・フローリングには滑り止めマットを敷いて転倒を防ぐ
・段差にはスロープや階段を設置し、足腰への負担を軽減する
・トイレは犬や猫が行きやすい場所に配置を工夫し、清潔を保つ
<移動のサポート方法>
・抱き上げる際には体全体を支えるようにし、無理な動きを避ける
・介護用ハーネスやキャリーを活用することで、移動を安全にサポートする
<食事介助の方法>
・高さのある食器を使用して、無理なく食事を取れるようにする
・食事中は体勢をサポートし、快適に食事できるように配慮する
<排泄介助の方法>
・体型に合ったおむつ選びを行い、適切な頻度で交換する
・必要に応じて、排泄部分の被毛を短くカットし、清潔を保つ
・床ずれ防止のために、寝たきりの場合は体位を定期的に変えることを心がける
症状別の介護ポイント
犬や猫の状態に合わせたケアを行うことで、快適な生活をサポートしましょう。
<歩行困難な場合>
犬や猫専用の車椅子やサポーターを使用して移動を補助します。
<認知症の場合>
生活リズムを整え、適度な刺激を与えることで不安を軽減します。
<視聴覚が衰えている場合>
家具の配置を工夫し、ぶつかりやすい障害物を取り除くことで安全性が向上します。
<持病がある場合>
獣医師の指示に従い、適切な薬の投与や食事管理を行います。
介護中の健康管理
介護を行う中で、犬や猫の健康を定期的にチェックすることが大切です。
<体重管理>
定期的に体重を測り、適切な食事量や栄養バランスを維持します。
<水分補給>
十分な水を摂取させ、脱水を防ぎます。水飲み場を複数設置するのも効果的です。
<運動量の調整>
無理のない範囲で軽い運動を取り入れ、筋力の維持に努めます。
<定期的な健康チェック>
獣医師による診察を受けることで、異常の早期発見につなげます。
介護を行う飼い主様自身のケア
高齢の犬や猫の介護は飼い主様にも大きな負担がかかるため、自分自身の健康にも注意しましょう。
<介護疲れを防ぐ>
休息時間を確保し、自分の健康管理も怠らないようにしましょう。
<家族で分担する>
家族で介護の役割を分担し、一人で抱え込まないことが大切です。
<相談窓口の利用>
かかりつけの獣医師や地域のサポートサービスを積極的に利用しましょう。
<介護サービスを活用する>
必要に応じてペットシッターや専門の介護サービスを利用し、負担を軽減します。
まとめ
高齢の犬や猫の介護は、飼い主様としての愛情と忍耐が試される場面が多いものです。しかし、適切なケアを行うことで、犬や猫が快適に過ごせる時間を延ばし、絆をさらに深めることができます。
また、飼い主様が無理なく介護を続けられるように、周囲のサポートや専門家のアドバイスを積極的に活用してください。愛犬や愛猫とのかけがえのない時間を穏やかに過ごしながら、愛する家族の一員としての役割を全うしましょう。
岡山県岡山市を中心に地域のホームドクターとして診療を行う
永原動物病院
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この記事を書いた人
- 永原動物病院 院長
- 永原 未悠(ながはら みゆ)
飼い主様へのインフォームドコンセントや、信頼関係を大切にしています。大事な予防も含め、疾患(病気)への治療や方針について話し合い、飼い主様と一緒に進めてまいりたいと思います。
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